田辺メンタルクリニック

京都市右京区 心療内科・精神科(西院駅すぐ)

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精神疾患の用語集

精神疾患に関する専門用語の解説集です。 下の語句をクリックして頂きますと詳細な情報が閲覧できます。

うつ病性障害
うつ病というのは、脳の機能が変化して、精神的なエネルギーが低下している状態です。
「憂うつで沈み込んでいる」というだけでなく、「楽しみを感じられない」「気力が出ない」といった状態もまた、うつ状態です。
睡眠障害(不眠、過眠)食欲の異常(食思不振、亢進する場合もある)集中力や決断力の低下の他、頭痛、肩こり、めまい、動悸、胃の不快感など、さまざまな身体症状を伴います。
だるくて動きがとりづらくなったり、逆に落ち着かずじっとして居られなくなることもあります。自分を責め、重症になると自殺を考える場合もあります。
こうした症状が2週間以上続いて、苦痛を伴うようになったらうつ病うつ状態です。早めの受診をお勧めします。
双極性障害
躁状態とは普通では考えられないほど気分が爽快になって、気持ちが高揚した状態をいいます。考えが次々に浮かんできて早口でしゃべり続けたり、「自分に特別な能力があって何でも出来る」と思えて、傲慢な態度をとったり、怒りっぽくなったり、対人関係上のトラブルが起こりがちです。結果をかえりみず、重大な決断(高価な買い物や仕事上の決定など)をいとも簡単にしてしまったり、不眠不休で働いていても、注意散漫でどれも終えていなかったりします。
気分障害のうち躁状態の時期がある場合を双極性障害、うつ状態だけならうつ病性障害と言います。躁状態の時には、自分が病気と気づかず、治療が遅れがちです。家族の方にうまく受診を勧めていただければ、スムーズに治療できます。
パニック障害
動悸、息苦しさ、発汗、震え、めまい、冷感や胸部や腹部の不快感などの症状が、発作的に現れて、強い恐怖心を伴い、コントロール出来ない不安や、死ぬのではないかという恐怖を感じる状態を、パニック発作といいます。パニック発作が繰り返し起こり、また発作が起こるのではと心配し続けたり、発作を避けるために普段の行動が取れなくなったりすると、パニック障害と診断されます。
パニック障害はセロトニン再取り込み阻害剤といわれる抗うつ剤や、安定剤で治療できます。
広場恐怖
パニック発作が起きたときに、逃げることが出来ない場所、恥をかいてしまうと思う場所、助けをえられない場所に居ることについての不安を広場恐怖といいます。典型的には人込みの中、乗り物の車中など。その状況を避けて行動が制限されたり、同伴者が必要になったりします。薬物療法で不安を和らげながら、段階的に避けている状況へのアプローチを行って行きます。
社会恐怖
よく知らない人達の前で、注目を浴びるような活動をすることに強い恐怖を覚える状態。その状況を避けるため、または不安のために、日常生活や社会生活、職業上の活動、対人関係が妨げられ、苦痛が強い場合、社会恐怖社会不安障害と診断されます。青年期に好発します。例えば人前でのスピーチ、会食などの状況で、緊張しすぎて顔が赤くなったり手が震えたり、トイレが近くなったりし、それを悟られないように人前に出ることを避け、機会を逃すなど。
性格だから治らないと決めつけず、抗うつ剤の治療を気長に続ければ、軽快を見込めます。
強迫性障害
強迫症状が2週間以上持続し、日常生活を妨げ、苦痛を引き起こす状態を強迫性障害といいます。強迫症状には、繰り返し浮かんで振り払うことの出来ない苦痛な考えやイメージを意味する強迫観念、不合理と分かっていながら手洗い、確認、整理などの行為を繰り返したり、心の中で祈ったり、声に出さずに言葉を繰り返したりする強迫行為が有ります。薬物療法、行動療法を行えます。
PTSD 外傷後ストレス障害
自分または親しい人の生死にかかわるような極度に強いストレスに直面して、著しい恐怖を感じた後に深い心の傷が残り、その苦痛の体験を繰り返し思い出したり(フラッシュバック)、類似の場面を過度に避けるようになったり、覚醒度が過度に亢進している状態をいいます。
全般性不安障害
いろいろな場面で漠然とした強い不安を感じる状態です。
身体表現性障害
広い意味での心身症で、いくら検査をしても身体的異常がはっきりとしないにもかかわらず、頑固な身体症状が続いている状態です。その中でも、病気に違いないという思い込みが続いている場合を心気症といいます。
解離性障害
強いストレスに関連して、身体的な障害では説明のつかない特徴的な症状を呈する状態を解離性障害といいます。トラウマとなった出来事を思い出せなくなる解離性健忘、突然、家庭や職場から離れて放浪する解離性とん走、複数の人格の状態が存在し入れ替わる解離性同一性障害、運動機能や感覚機能が損なわれる解離性運動障害(心因性失声など)、解離性知覚麻痺などがあります。後の2つは転換性障害ともいいます。
摂食障害
■神経性無食欲症
痩せているにもかかわらず、体重が増えることや肥満に強い恐怖心があり、自己のボディイメージは障害され、さらに体重を減らそうと努力を続ける状態をいいます。
■神経性大食症
発作的な過食を繰りかえし、過食している間はコントロールが効かない感覚があります。一方で体重増加を防ぐためダイエットに没頭し、嘔吐を誘発したり下剤をつかったりすることもよく見られます。
睡眠障害
■不眠症
寝つきにくい、途中で目が覚める、早朝に目が覚めるなどの状態が1ヶ月以上続く状態です。途中覚醒や早朝覚醒はうつ病の症状としても、よく知られています。
■過眠症
一ヶ月以上続く過剰な眠気が主な症状。
せん妄
意識が軽く低下した状態で、注意集中、維持が困難になり、一時的に認知障害(記憶障害や時間、場所が分からなくなるなど)や知覚障害(幻覚、錯覚など)が見られる状態です。短期間に出現し一日のうちでも変動があり、持続し進行していく認知症とは異なります。
認知症
■アルツハイマー型認知症
脳の神経細胞が徐々に脱落して、脳が萎縮する疾患。記憶障害と失語(単語が出てこない)、失行(動作を遂行する能力の障害、ボタンをとめられないなど)、失認(対象を認識できない)、実行機能の障害(予定や計画を立てて、それを成し遂げることができない)などの認知面での障害が、ゆるやかに発症し、持続的に低下していく状態をいいます。記憶障害があると、新しいことを学習したり、以前に学習したことを思い出すことができません。また幻覚、妄想、抑うつ、不眠、徘徊、興奮などの周辺症状を伴うことがあり、介護する際の問題となります。
■脳血管性認知症
アルツハイマー型認知症とは異なり、階段状に進行し、症状に出方も全般性ではありません。例えば記憶や見当識はかなり悪いのに、判断力は正常で人格は保たれているというように、まだら痴呆といわれる状態がみられます。また他の神経徴候や症状を伴うことも多いのです。
アルコール依存症
アルコールを摂取したいという強い欲求があり、摂取行動をコントロールすることが困難で、他の楽しみは二の次となり、明らかに有害となっていても摂取を続けてしまう状態をいいます。摂取を中止すると離脱症状が出るので、これを避けるためにも飲酒を重ねます。離脱症状としては振戦せん妄(不眠、振戦、恐怖にはじまり、錯乱、幻覚や錯覚、著明な振戦、妄想、興奮に至る)がよく知られています。
断酒の意志があればアルコールを一旦安定剤に置き換え、離脱症状の出現を押さえた上で、嫌酒薬による治療を行えます。断酒会への参加も大変有用です。
人格障害
■情緒不安定性人格障害 
感情の不安定さを伴い、結果を考慮せず衝動に基づき行動する傾向が著しい人格障害。計画をたてる能力に乏しく、強い怒りが突発する傾向があります。情緒不安定で衝動のコントロールが困難な衝動型と、対人関係の不安定さや空虚感があり、自暴自棄な行動を起こしがちな境界型に分類されます。
統合失調症
幻覚とくに幻聴や、妄想があり、考えの流れが乱れたりし、本来出来ていたことができなくなってしまう障害を指します。初期には本人の行動や思考に注釈をくわえる幻声や、すべての出来事が自分に向けられた悪意のある事と感じられる被害妄想がよく見られ、慢性期になり症状が進むと意欲が出にくくなることが多いのです。
最近の統合失調症に対する薬剤は、副作用は少なく、効果は過去の薬剤と同等で、使い易くなっています。初期治療が重要ですが、本人には病気という意識がないことが多いので、家族の方が気がついて受診を進めていただくことが、治療的にも良いと考えています。